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食道につどう白血球 好酸球性食道炎

2025年2月

 好酸球性食道炎という病気を聞いたことがありますか?テレビコマーシャルなどで胃酸が食道に逆流し食道に炎症が起こる逆流性食道炎という病気を聞いたことがある方は多いと思いますが、症状は似ているところがあります。
 わが国ではまれな病気と考えられていましたが、最近上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)を受けた際に診断されることが多くなってきました。

 好酸球というアレルギー反応に関係する白血球が、食道にたくさん集まって慢性的な炎症を起こす病気です。炎症が続くことによって食道の動きが悪くなり、子供では食事を嫌がり体重が減少することがあり、大人では食事が通りにくくなったり、逆流性食道炎と同じように胸やけ、食道のつかえ感などの症状が起こります。進行すると食道が狭くなって、食事が詰まってしまうこともあります。慢性的に経過し、自然治癒することは少ないとされています。

 原因ははっきりわかっていませんが、喘息やアトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患を持っている人に多く発症し、30~50歳代の男性の方に発症しやすいことがわかってきました。特定の食事を制限することで症状の改善が認められることがあり、主に食物抗原(アレルゲン=合わないもの)に対する慢性的なアレルギー反応によって食道に炎症が起こると考えられています。慢性的なアレルギーなのでアレルゲンを特定することは困難です。

 診断は胃カメラで食道を観察し、生検(顕微鏡で調べるための組織サンプルを採取)をします。顕微鏡で観察すると好酸球が多数集まっています。

 治療は胃酸の分泌を抑える薬(プロトンポンプ阻害薬)が使われます。胃酸の分泌を抑えることで食道のバリア機能を改善してアレルギー反応を抑える効果があるといわれています。プロトンポンプ阻害薬で効果がない場合は、喘息の治療に使われるステロイド吸入薬を、吸入するのではなく、飲み込んで食道に付着させる局所ステロイド治療を行います。食道が狭くなっている場合には胃カメラを使って食道内でバルーン(小さい風船)を膨らませて食道を拡げます。

 食道のつかえ感を訴える病気は食道がん、食道ポリープ、カンジダ性食道炎(食道にカビがつく)などがあります。食道のつかえ感があったり、逆流性食道炎の治療をしていてもなかなか改善しない方はかかりつけ医に相談しましょう。

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