医療トピックス

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乳がん検診について

2024年10月

・区民検診における乳がん検診
現在中野区では乳がん検診として視触診(任意)とマンモグラフィ検査が行われています。もう一つ乳がんを見つける検査として有効とされるのが乳腺エコー(超音波検査)ですが、こちらは今のところ区民検診においては採用されていません。区民検診は公費を使用して行う検査である以上、確実な成果が求められます。マンモグラフィ検査においては1913年にその原型が提唱され、そこから現在の形へと進化する歴史の中で多くの研究が行われました。その結果マンモグラフィを受けた女性と受けなかった女性を比較することで50歳以上は確実に、40歳以上については概ね、乳がんによる死亡数を減らすことができることが明らかになっており、乳がんによって亡くなる方の約20%を救えるといわれています。
一方、乳腺エコーにはそうしたデータがなく、現在日本が世界に先駆けて有効性を検証する研究(J-START)を行っており、その結果が待たれています。

・マンモグラフィ検査とは
マンモグラフィと聞くと「痛い検査」というイメージを持つ方が多いかと思います。そのため、漠然と検査から足が遠のいている方も少なくないでしょう。そこでマンモグラフィ検査の目的や仕組みを理解することで、検診への不安を解消できればと思います。
まずなぜ、あれほど乳房をつぶして圧迫するのか。それはマンモグラフィが放射線を乳房に照射し、通り抜けた放射線の状態を観察することで乳房内部の状態を確認する検査であるためです。圧迫を行わないと乳房は分厚いままで放射線のほとんどが通り抜けることができないため、画像が不鮮明になるだけでなく、また通り抜けた放射線の状態を観察しようとすると、大量の放射線が必要になり被ばく量も増えてしまいます。また圧迫することでしこりが乳腺の陰に隠れてしまうリスクを減らし検査の精度を高めることができます。このようにマンモグラフィ検査の圧迫はそれに十分見合うメリットがあるから行っているのです。

・マンモグラフィと乳腺エコーどちらをやった方がよいのか?
乳腺エコーは超音波を乳房内に当てて、その跳ね返ってくる様子を観察し、乳房内に正常な乳腺と異なった跳ね返り方をしてくる部分がないかを観察する検査で、マンモグラフィとは異なり、被ばくや痛みもないため比較的気軽に受けることができます。マンモグラフィよりもしこりを形成するタイプの乳がんは見つけやすいですが、石灰化の検出には不向きで、また検査者の技量によって結果が左右される面もあります。
つまりマンモグラフィと乳腺エコーはそれぞれ強みと弱みがあるため、年齢や乳腺の状態、個人個人のリスクなどを踏まえて各自に適した検査を選択することが重要です。
目安として40歳未満は乳腺エコー、40歳以上はマンモグラフィと必要に応じて乳腺エコーの併用いただくことが多いです。ただしすべての方に当てはまるわけではないので、気になる方は乳腺外来で相談しながら最適な検診方法を選ぶことをお勧めします。

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