医療トピックス
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冷房病にご注意
2024年6月
私たちの体は、夏になると毛細血管をひろげて放熱しやすくし、汗をかいて体温を下げようとします。しかし、冷房の効いた室内では体内の熱が逃げすぎて冷え、外出時との激しい温度差によって自律神経のバランスが崩れ、冷えに対する抵抗力が弱くなってしまいます。足腰の冷え、だるさ、肩こり、頭痛、食欲不振、下痢、神経痛、不眠など、冷えによって起こるさまざまな症状を冷房病とよんでいます。
冷房病への対策を考えます。まず、エアコンとの付き合い方。エアコンの設定温度は「外気温マイナス3~4℃」を目安にします。 エアコンをつけっぱなしにすると、体が慣れて寒さに鈍感になります。ときどき窓をあけて外気をとり入れることも大切です。また、エアコンの風に直接当たると、体温が急速に奪われます。風向きをコントロールし、吹き出す冷気に当たらないようにしましょう。
次に服装について。オフィスなどエアコンの温度や風向きを調節できない場所では、冷えから胃腸の障害を起こしやすいので、「腹巻」が効果的。腰痛の予防にもなります。また冷気が直接当たらないようにカーディガンやスカーフなどで肌を隠し、厚手の靴下やハイソックス、レッグウォーマーを利用して足元にたまった冷気をブロックしましょう。
冷房病や冷え症を予防するには、体の中心部を冷やさないことが大切です。夏には冷えたものを食べたくなりますが、冷たい食べ物は体を急速に冷やします。エアコンのきいた場所では、少し汗ばむくらいの温かい食べ物、飲み物をとるようにしましょう。ショウガ、ネギ、ニンニク、唐辛子や胡椒、山椒なども、効果的です。また、食事を抜くとカロリー不足から体が冷えやすくなり、だるさや疲れが助長されてしまいます。食欲があまりない場合でも温かい食べ物や飲み物を少量でもとることが大切です。
冷えをもっとも感じやすいのは足先。仕事中でも1時間に一度くらいは席を立ち、歩いたり軽い屈伸運動をして、足先の血液の流れを改善しましょう。日頃からよく歩いていると、足の筋肉が強化されて血流がよくなるので足先も冷えにくくなります。夏はシャワーだけで済ませたくなりますが、お湯につかると足が温まるだけでなく、水圧によって血行もよくなります。ストレスがたまると交感神経が緊張し手足が冷えて、冷房病や冷え症を起こしやすくなりますので、運動や入浴でリフレッシュし、ストレスを解消して暑い夏を乗り切ってください。