医療トピックス
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実は怖い脂肪肝
2024年5月
脂肪肝とは
肝臓に脂肪がたまった状態のことを言います。最近は肥満と共に増加しており成人の20~30%くらいに認められます。脂肪肝は大きくアルコール性と非アルコール性に分けられますが、近年増加しているのは非アルコール性脂肪肝で心血管系疾患の危険リスクとして、また肝がんの原因として注目されています。
非アルコール性脂肪肝とは
過食、運動不足、睡眠不足などの生活習慣の乱れ、肥満による内臓脂肪蓄積、ストレスなどが原因で肝臓に脂肪がたまり、肝臓が悲鳴を上げている状態です。また、糖尿病、高血圧、高脂血症などの生活習慣病を合併していることが多く見られます。
非アルコール性脂肪肝の危険性
非アルコール性脂肪肝の10~20%は「非アルコール性脂肪性肝炎」というより危険性の高い病気で、肝硬変・肝がんに移行しやすく肝硬変になると5年生存率は75%程度と言われ、亡くなる方の半数は肝がんです。
脂肪肝の診断はどうするのか
脂肪肝は超音波検査で診断できます。健診で肝機能障害と言われた方は是非超音波検査を受けるようにしましょう。しかし、脂肪性肝炎かどうかの診断は肝臓に針を刺して肝臓組織を取って調べないと分かりません。そのためまず肝臓の線維化を調べる血液検査やエラストグラフィーという特殊検査をして可能性を診断します。
脂肪肝を治すには
まずは減量が第一です。体重を約7%減らすと効果が出ます。糖質や脂質を控え、野菜・海草・キノコなどの繊維質・ビタミン・ミネラルを摂りましょう。次に運動です。1日30分程度の有酸素運動(ウォーキング・ランニング・ダンス・水泳)と筋力トレーニングを心掛けてください。尚、アルコール性脂肪肝の方はまず禁酒が必要です。
最後に、脂肪肝が心配な方はお近くの消化器内科を受診することをお勧めします。