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デジタルデバイスと子供の目 ~スマホ内斜視~

2024年1月

【はじめに】

皆さん、6月10日が「子供の目の日」ということをご存じですか。6歳、つまり小学校入学時に視力1.0以上あることが、弱視の早期発見と治療、低年齢化する近視発症予防の節目であることから、2023年に眼科啓発会議により制定されました。
また、2022年内閣府の調査によると子供のスマートフォン使用率は激増しており、小学校高学年で63.3%、中学生91.1%、高校生は99.3%に達しています。
そのためか、小学生から高校生に起こることが多い「スマホ内斜視」が、急性後天性内斜視の中でも症例数が増えています。

【症状】

・物が二つに見える
・片目をつぶる
・まばたきが増える
・寄り目になっていると周りに指摘される(図1)

【発症の機序】

急性後天性内斜視発症の機序に必ずしもデジタルデバイスが関与するという確証はまだ得られていません。しかしデジタルデバイスの使用制限で内斜視の改善する症例が多くみられることから影響を与えている可能性が高いと思われます。
スマートフォンを使用するときには近い距離でみるため、輻輳(寄り目)をしなければならず、内直筋という筋肉に負担がかかり、調節(ピントを合わせる機能)に負担がかかると言われています。(図2)

【発症の要因】

・スマートフォンなどのデジタルデバイスを1日4時間以上数か月以上使用する
・近距離:スマートフォン使用時は書籍読書時より距離が近い
・小児
・暗い場所でスマートフォンを使う
・寝転ぶ姿勢

【治療】

デジタルデバイスの使用制限によって内斜視が改善する場合が多いですが、手術が必要になることもあります。

【予防】

・スマートフォンの長時間使用を控える
・視距離を離す
・休憩をはさむ
・姿勢を正す
30分ごとに休憩、30センチ以上離して見る、明るい部屋で見る意識をすると良いです。

【おわりに】

子どもたちに内斜視や近視進行が起きる根本としては、子どもたちの眼の機能が発達途中で未熟であることがあげられます。そのためデジタルデバイスにより容易に影響をうけやすいといえます。
デジタルデバイスの過剰使用によって内斜視の発症や近視進行があり、将来の目の健康に影響を及ぼします。
眼位の変化、片目をつぶるなど内斜視を疑う症状や、学校健診で視力低下を指摘された場合は眼科を受診してください。

(図1)

(図2)

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