医療トピックス

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寝ている間に起こること

2023年11月

 皆さんは毎日どれぐらい眠っていますか? 睡眠時間というものは個体差が大きく明確な決まりはありませんが成人では7時間程度が良いのではないかとされています。日本人は全体的に睡眠時間が足りないとは以前からよく言われます。
 さてその睡眠に関する病気を皆さんはいくつご存じでしょうか? よく聞くのは不眠症や睡眠時無呼吸症候群ではないでしょうか。眠れなくて困る、いびきがひどいなどは外来でよく相談される症状です。実は睡眠に関する病気は病名を分類する国際疾病分類ICD10という分類ではなんと50にも分類されます。それだけ睡眠に関連した病気は多いのです。
 その中には不眠症の逆として過眠症という病気も存在します。文字通り眠りすぎる病気です。ナルコレプシーという病気が有名ですが脳内の覚醒を維持するオレキシンという物質の不足により眠ってしまうという病気です。オレキシンは日本人の櫻井武先生が発見したことで有名な物質です。
 ナルコレプシーの患者はとにかく眠気が強いという特徴を持ちますが、発症年齢は10代から20代前半と言われています。学生時代は授業中居眠りしながらもなんとかしていたが、就職して居眠りが多く、職場で責められ上司に伴われて病院を受診するなどの気の毒な状況も見受けます。一見、珍しい病気にも思われますが日本人には比較的多く600人に一人は存在すると言われています。決して我々開業医の日常診療で見ない病気ではないのです。
 その他にも睡眠関連行動障害という状態で眠りにつこうとすると足がむずむずして落ち着かないむずむず足症候群、眠っている間に夢遊病のように歩いたりご飯を食べてしまうレム睡眠関連行動障害、睡眠時間がだんだんずれていってついには昼頃などに眠り始めてしまう概日リズム睡眠・覚醒障害など様々な病気が存在します。
 どれも睡眠という特殊な状況に関連した病態であるためなかなか病気として認識されず受診や検査が遅れがちなのが現状です。
 我々は人生の3分の1は眠っています。人生の多くの部分をしめる睡眠にもう少し目を向けて何か困っていたらかかりつけ医などに相談してはいかがでしょうか?

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