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胃の壁に侵入する寄生虫がいます

2023年9月

アニサキスという寄生虫がいます。主にイカ、サバ、アジ、イワシ、サンマなどの魚介類の内臓にアニサキスの幼虫が潜んでおり、生きたアニサキスが寄生した食品を生食すると発症する病気です。日本では刺身や寿司など魚介類を生で食べる文化があるため、ほかの国より感染者が多いのが現状です。鮮度の良い状態での冷蔵輸送技術が向上した分、自分で処理した食材でのアニサキスは増えている印象があります。
症状は食後6~10時間後に、アニサキスが胃の壁に侵入しようとすることにより起こる強い腹痛、吐き気、嘔吐などの症状です。周期的に内臓がつかまれているような激しい痛みであり、夕食に摂取した場合は夜中に発症することが多いです。
アニサキスには駆除薬などは開発されていません。治療は内視鏡でアニサキスを摘出する処置が行われます。2隻(せき)以上いる場合もあるので、摘出して帰宅しても症状が残るときは再度内視鏡を行う場合があります。(寄生虫の単位は匹ではなく隻と数える)
アニサキスは魚介類の内臓に寄生するため、新鮮なうちに内臓を取り除くなどの処置も予防に役立つとされていますが、食品をしっかりと加熱・冷凍処理をすれば死んでしまいますので問題となることはありません。酢や塩、醤油、わさびなどで下処理をしてもアニサキスは死にません。また、よく噛めば大丈夫という人がいますが、小さくて丈夫なため嚙み切ることは難しいと思われます。
魚介類を口にしたあとに、腹痛、吐き気、嘔吐などの症状が現れたときには、アニサキスの可能性もあるため早めに病院に相談してください。

胃の壁に侵入したアニサキス、
大きさは長さ2cm、幅1mm程度

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