医療トピックス
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良い排便には姿勢も重要です
2022年4月
最新のガイドラインによると、便秘とは「本来体外に排出すべき糞便を十分量かつ快適に排出できない状態」と定義しています。つまり「すっきり出ない人は便秘です」ということです。普段から便通が良い人は何も考えなくてもスッと出るので、あまり悩んだことが無いと思います。排便は睡眠、食事、運動、ストレス、内服薬など様々なことに影響を受けているため、排便が順調な人でもたまに便秘気味になることがあります。今回は、出口まで便が来ているのに出にくいときの姿勢についてです。
便が出にくいときには、体を丸くして「う~ん、う~ん」とふんばってしまう方がいると思います。身体を丸くしてしまうとふんばった力が肛門に伝わらないため、とても効率が悪いです。排便の姿勢は、背筋を伸ばして前傾姿勢(前かがみ)とするのが理想的です。そうすると直腸と肛門がまっすぐとなって、ふんばった力が肛門に伝わりやすくなり、肛門も緩みます。
また、子供や背の低い方で、排便の際に足が下につかずにブラブラしているのも力が伝わりにくくなります。足元に台を置いて膝を少し上げることにより背筋が伸び、力が伝わりやすくなります。
姿勢と膝を上げるだけで便秘が良くなるとは限りません。生活習慣の改善も重要ですし、それぞれのニーズに合わせた良い下剤もたくさん出ています。背後に大腸がんが潜んでいることもあるため、たかが便秘と思わずに、症状が続く場合は医師の診察を受けてください。