医療トピックス

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子宮頸がんとHPVワクチン

2021年9月

 HPV(ヒトパピローマウイルス)は性交渉をする年頃になれば男女を問わず多くの方が一度は感染する、とてもありふれたウイルスです。そして感染した方の一部では尖圭コンジローマなどの性病を引き起こしたり、一部の女性では数年から数十年かけて将来子宮頸がんを発症します。わが国では子宮頸がんに罹ったり亡くなる方は年々増えてきており、特に50歳以下の若い世代の増加が目立っています。子宮がん検診による早期発見も大事ですが、なかには急速にがん化するものもありHPVに感染しないこともとても大事です。

 HPVには安全でとても効果的なワクチンがあり、世界的には子宮頸がんはワクチンで予防できるという位置づけになっていますが、わが国では接種率が極めて低いままで多くの方が亡くなっています。

 諸般の経緯で厚生労働省はHPVワクチンの積極的勧奨を中止していますが、現在では世界保健機関や他の先進国からも安全宣言が出されており、厚生労働省の研究班でも安全性に問題は見つからなかったと結論づけられています。日本産科婦人科学会は再三にわたって積極的勧奨の再開を国に対して強く求めてきましたが、世界的に権威のある医学誌で海外の研究者から『日本における2013年から2019年のHPVワクチン危機によって、およそ5000人が亡くなっている(注1』と指摘されるに至り、先ごろようやく積極的勧奨の再開に向けて検討を開始するとの方針が大臣から示されました。しかし具体的な時期はコロナ禍を理由に先送りされ不透明のままです。

 厚生労働省が小学校6年~高校1年相当の女子を対象にリーフレット(注2を、また定期接種で使われる4価ワクチンと今年発売になった9価ワクチンについては、日本産科婦人科学会が一般の方向けに詳しい解説(注3を用意していますので、ぜひご覧ください。

注1) https://www.thelancet.com/journals/lanpub/article/PIIS2468-2667(20)30010-4/fulltext
注2) https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou28/index.html
注3) http://www.jsog.or.jp/modules/jsogpolicy/index.php?content_id=4

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