医療トピックス

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赤あざの治療

2021年6月

 あざは最も見る機会の多い皮膚の奇形の一つで、色調から赤あざ(血管腫)、青あざ(太田母斑など)、茶あざ(扁平母斑など)があリますが、ここでは比較的よく見られる赤あざについて治療法や時期についてお話しします。

単純性血管腫

 赤いあざで最もよく見るのは、単純性血管腫です。赤ワインをこぼしたように広がることから、ポートワイン血管腫とも呼ばれ、ほとんどが平らでわずかに隆起するものもあります。組織学的には、真皮における毛細血管の局所的増殖と拡張を認め、多くは生まれた時に既に存在します。自然消退はありませんが、成長に伴い皮膚が厚くなるにつれ目立たなくなることもあります。治療は、フラッシュランプやロングパルスの色素レーザーなどですが、皮膚が薄く、血管腫が浅い部分に存在する小児では、成人に比べ治療効果が得られやすく、また治療面積も小さいので早期の治療が有効です。

いちご状血管腫

 平らな赤あざの代表格が単純性血管腫なら、盛り上がる赤あざの代表はいちご状血管腫です。多くは生後数週で発症し、1、2週で急速に増大隆起します。その後1年程度で最大に達した後、中央から縮小し、5歳までで半数、7歳までで75%が消失します。扁平に隆起する局面型、腫瘤を形成する腫瘤型が大多数で、皮下に存在する深在型は稀です。治療はスポンジなどによる圧迫、レーザー治療、凍結療法、ステロイド内服や局所注射、硬化療法、外科的切除などありますが、症状により積極的に治療を行うか経過観察で自然消退を待つか決定する必要がありますが、視力の発達障害になる眼周囲や呼吸・摂食障害を来たす鼻や口の病変では早期に治療を行う必要があります。

正中部母斑

 新生児から乳児の前額・眉間・上眼瞼内側・うなじなどの正中部に見られる淡い赤あざを正中部母斑と呼びます。前額・眉間・上眼瞼などに見られる正中部母斑はsalmon patch、うなじに見られるものをUnna母斑と呼ぶこともあり、Unna母斑は「コウノトリが咥えて来た痕」に例えられStork markとも呼ばれます。Salmon patchは多くの場合生後1歳までに消失しますので、治療の必要はありませんが、2歳以降まで残った場合は治療の対象となります。一方でUnna母斑は自然消退が少なく、約半数で3歳以降にも認められます。治療は、単純性血管腫と同様です。

 赤あざの治療は、直ちに行うべきもの、成長した後で良いものなど様々です。治療のゴールデンタイムを逃さぬよう、気づいたらかかりつけ医を通じて専門医を受診してみてください。

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