医療トピックス
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今年こそ水虫を治しましょう
2021年4月
夏なると皮膚科の外来も賑わってきます。とりわけ夏の皮膚病の主力メンバーは足白癬、俗にいう水虫です。
足がかゆい、足の指の間がジクジクしてきた、足の裏の皮膚が剥けてきた、すわっ、水虫、と市販の外用薬(付け薬)をつけがちです。でも、それ、本当に水虫ですか?足にできていてかゆい、または皮膚が剥けてきた、といえば水虫と考えがちですが、足の湿疹や足のむれなどでも同じような症状が出ます。
足白癬は白癬菌という真菌(カビ)が角質内で増殖した状態です。なんといっても相手はしつこいカビですから、一見症状が改善したように見えてもすぐ再発します。症状は軽微でもなかなか手強いです。「水虫を治す薬を作ったら、ノーベル賞もの」と言われていましたが、いまは外用薬もよくなっています。完治も夢ではありません。ただ完治を目指し、再感染を予防するためにはいくつかの注意事項があります。
完治を目指すためには
1) 毎日忘れず外用を!これは大切です
2) 十分な量を足全体につける。足全体になじませ、15分ほど外用薬がしみこんでいくのを待ちましょう。足は角質層が厚く角質層全体に薬が浸潤ためにはしっとりする程度につけることが大切です。ただし、趾間は皮膚が薄いので軟膏は少なめ、ゴシゴシ擦りこまないようにしましょう。
3) よくなってもしばらくの間外用を続けましょう。角質層のあさい部分のカビがいなくなると皮膚の症状は改善します。ただ足裏、踵は角質が厚くその部分にカビが残っている可能性大です。完璧!と思ってもその後2ヶ月は同じペースでつけてください。
このように水虫の治療は根気、たゆまぬ努力が必要です。そのためには足のかゆみ、皮疹は確実に水虫によるものか、きちんと診断してから治療に入ることをお勧めします。
さて、このように頑張って治した水虫、再感染しないための注意点。
白癬菌は足から落ちた角質の中でも半年以上生き続けます。
1) 多くの人が裸足で歩く場所に行った後は足をシャワーで洗い流し、新しい靴下に履き替える
2) 水虫治療前に素足で履いた靴の中に残っている場合があります。靴下を履いてください。
3) 掃除機はまめに丁寧にかけてください
4) 家族に水虫がいないか?いたら一緒に治療しましょう。
今年は水虫完全治癒を目指し頑張ってください!