医療トピックス
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夜間頻尿について
2020年7月
せっかく寝付いたのに尿意で起きてしまう。誰でも経験のあることではないでしょうか。それもそのはず、「夜間頻尿」は40代で4割、80歳以上では9割以上の人でみられる、とても多い症状なのです。
夜間頻尿とは、排尿のために1回以上起きなくてはならない、と定義されていますが、実際には2回以上起きてしまう時に問題とします。
原因として①横になってから尿量が多くなってしまう夜間多尿、②膀胱の容量が小さくなったため貯めておけない、③睡眠が浅く起きてしまうためにトイレに行きたくなる、ということが考えられます。
この原因を知ることは大切です。なぜなら①夜間多尿は糖尿病や循環器など内科の病気、②膀胱容量低下は過活動膀胱や膀胱炎など泌尿器科の病気、③睡眠障害は精神科の病気、などが隠れている可能性があるからです。ご自分でもメモリ付きのコップで、1日を通して尿の量を測定してみると、おおよその原因が分かるでしょう。
まずは病気を疑う前に、多くの場合は生活習慣を見直すことで改善できますから、以下のことをチェックしてみてください。はじめに水分の摂りすぎになっていないか振り返ってみましょう。脳梗塞予防や熱中症予防のために水分をこまめに摂りましょうと良く言われますが、多すぎる水を飲めば当然尿も増えますね。また、塩分は水を蓄える性質があるので、塩分の多い食事を摂ると日中は体から水分が出て行かずに、寝ている時にようやく尿が作られることになり夜間頻尿の原因になります。食事も見直しましょう。それから、足がむくんでいないか良く見てください。運動不足などで下肢の血流が悪くなると、むくむことがありますがこれはつまり足に水が溜まっているということです。溜まった水は横になると体に戻ってきて尿になります。日中に足を上げて横になったり、弾性ストッキングをはいて運動することで予防できる可能性があります。
これらのことをしても良くならない場合、病気が潜んでいる可能性がありますので、かかりつけ医に相談してみてください。快適な睡眠が得られるかもしれません。