医療トピックス

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タバコを吸っていると新型コロナウイルス肺炎が重症化します。

2020年6月

 新型コロナウイルス感染症(COVID19)が相変わらず世界中で蔓延中ですが、このウイルスの性格がだんだんと解ってきました。感染者の80%程度の人は無症状か風邪症状で済みますが、20%程度の人は症状が重く、肺炎などから命を落とす人もいます。感染を完全に防ぐのは難しい状態ですので、重症化を防ぐ・死亡者を出さないことがこれからの目標となります。
 これまでの研究でどのような人が重症化するのか判ってきました。高齢者・持病のある人・肥満者などとともにタバコ(喫煙)もその原因であるとWHO*1)は宣言しています。また、厚生労働省*2)、日本呼吸器学会*3)などでもホームページでその危険性を警告しています。
 では何故タバコは新型コロナウイルス感染症を重症化させるのでしょうか?海外の研究でその一因と考えられるメカニズムが報告*4)されました。
 その研究によりますと、新型コロナウイルスは人の気道などにあるACE2受容体という場所から体内に侵入することが解っています。このACE2受容体は肺に近い気道の奥にも見られますが、この数がタバコを吸っている人では増加し、子どもでは少ないことが解りました。つまり、タバコを吸っている人は新型コロナウイルスが気道から体内に入りやすく、子どもでは入りにくいということです。そのためタバコを吸っている人は重症になり易く、子どもは重症になりにくいのではないかと考えられています。
 タバコは新型コロナウイルス感染症だけでなく、がん・心臓病・脳血管障害・糖尿病・認知症など多くの病気との関連もわかっています。是非この機会に禁煙に取り組みませんか。禁煙を希望される方は中野区医師会ホームページ禁煙応援団の中の禁煙外来実施医療機関にご相談ください。

1)WHO statement: Tobacco use and COVID-19 11 May 2020
2)厚生労働省のホームページにも以下のように記載されています。
「新型コロナウイルス感染症と喫煙について
2020年5月11日 ... WHO のステートメントによれば、WHOが2020年4月29日に招集した専門家によるレビューにおいて、喫煙者は非喫煙者と比較して新型コロナウイルスへの感染で重症となる可能性が高いことが明らかになったことなどが報告されています。」
3)日本呼吸器学会 https://www.jrs.or.jp/uploads/uploads/files/koronatotabako.pdf
4)European Respiratory Journal 2020; doi10.1183/13993003.00688-2020

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