医療トピックス
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新型コロナウイルス感染症(新型肺炎)をどう防ぐか?
2020年2月
昨年12月に中国武漢市で発生した新型のコロナウイルスによる新型肺炎はいまだに終息する気配がありません。このウイルスは軽症者や感染しても症状の出ていない人(無症候性感染者)からも感染することが明らかとなり、日本をはじめ世界各国に感染が拡大しています。
医療機関が不足している武漢市では死亡者も増えつつありますが、同じ中国でも北京、上海などでの死亡率は低くインフルエンザと同程度ではないかと考えられており、過度の心配は無用です。
しかしこのウイルスにたいするワクチンはなく、治療薬もまだ研究段階です。無症状の人から感染するということを考えればいわゆる「水際作戦」で国内に感染者を入れないようにすることは不可能です。あなたの隣にも感染者がいるかもしれません。ではこのウイルスに感染しないためにはどうすればよいのか?
WHO(世界保健機関)は、感染を予防する基本的な対策を2月6日までに、公式サイトに英文で掲載しました。
https://www.who.int/emergencies/diseases/novel-coronavirus-2019/advice-for-public
頻繁に手を洗うことや、他人との距離を保つこと、調理が不十分な動物料理を避けることなど、8つの基本的な対策を掲げましたが、マスクに関する項目はありません。新型コロナウイルスに感染した人はマスクを着用するべきですが、病気の徴候がない他の人にとってはマスクで100%感染を防げるとは限りません。マスクは咳をした人の2m以内での飛沫感染を防ぐ効果しかありません。汚染したドアノブなどからの接触感染のリスクの方が高いのです。マスクよりも、人込みを避け頻繁に手を洗うことなど、他の衛生対策のほうが大切です。
参考までにWHOが公式サイトに掲載した基本対策の一部の日本語訳を掲げます。
- 頻繁に手を洗う:アルコール消毒液、または石鹸と水で頻繁に手を洗ってください。
- 咳エチケットの実践:咳やくしゃみをするときは、曲げた肘やティッシュで口と鼻を覆ってください。ティッシュは閉じることができる容器に捨て、アルコール消毒液か石鹸と水で手をきれいにしてください。
- 人との距離を保つ:自分と他の人、特に咳をしている人、くしゃみをしている人、発熱している人との距離を少なくとも1メートルは置いてください。
- 目、鼻、口に手で触れない:手はウイルスで汚染されている可能性のある多くの物体に触れます。汚染された手で目、鼻、口に触れた場合、物体から自分にウイルスが移る可能性があります。
- 発熱・咳だけでなく息切れがある場合には、あらかじめ医療機関に電話連絡の上早めに受診してください。
(3月16日改訂)
(マスクの効果についてのWHOの見解は変わってきています)