医療トピックス
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関節にできた瘤(こぶ)、何でしょう?
2019年12月
手首の甲側や手のひら側、指の背側など関節の周辺に、あずき大からピンポン玉の大きさまでの瘤(こぶ)ができたことはありませんか?
これは「ガングリオン」と呼ばれ、関節を包む袋(関節包)や腱を包むさや(腱鞘)の変性によって出来ると言われています。「塊」という意味があり、瘤の中にはゼリー状の液体(粘液)が充満しています。性質は良い物ですから安心ですが、足首や膝などにも出来る事があります。20~50歳の成人に起こりやすく男女比は1:3と女性に多いです。大きさは時間経過や使う頻度により変わることがあります。
なぜ、手首にできやすいのかはわかっていませんが、過去のけがに関連している可能性があります。指先にできるガングリオンは関節炎に関連していますが、ガングリオンがあるからといって関節炎が起きるわけではありません。瘤は、嚢胞といって風船の様な構造をしていて、中の液体は純粋なヒアルロン酸です。自然になくなることもあります。
ほとんどのガングリオンは治療の必要はありませんが、外見的に気になる場合や痛みがある場合、大きくなり続けたりする場合は、針による1回の吸引が効果的です。叩いて破れさせたりすると関節を傷つけます。吸引では、約40~70%の方が治らず、外科的に切除することができます。しかし、切除後の再発も約5~15%にあります。最近、吸引で効果がなかったり、手術を望まれない方には、「低出力半導体レーザー治療」を週3~4回、1~2ヶ月実施する方法もあるようです。
痛みがなくてもきに気になる場合には、かかりつけ医にご相談してみてください。