医療トピックス

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よく眠れていますか?

2019年2月

 あまりよく眠れていないと感じた場合、まずは自分がどのように眠れていないのかを確かめてみましょう。代表的なパタンは次の三通りになると思います。一つ目は、寝床についてから長い間眠れない「入眠困難」。二つ目は、寝た後にちょくちょく目が覚めてしまう「睡眠維持困難=中途覚醒」。そして三つ目が、起きようと思っている時刻よりかなり早く目が覚めてしまう「早朝覚醒」です。
 高齢になると、眠りが浅くなったり、トイレが頻繁になったり、そもそも若いときに比べてそれほど多くの睡眠を必要としなくなったりと、病気でなくても自然と中途覚醒や早朝覚醒が訪れることがあります。しかしそれ以外の方が良い眠りを得るためには、まずは自身が以下に挙げるような眠りを妨げるような行動を取っていないか振り返ってみることと、それを是正していくことが必要です。

 良質な睡眠を妨げるもの:カフェイン、ニコチン、ブルーライト、悩み事、アルコール、昼寝
 カフェインには目を覚ましたり眠りを浅くしたりする作用があるので、眠る前に摂ると入眠困難や中途覚醒を引き起こし易くなります。カフェインを多く含むもの(コーヒー、紅茶、緑茶、ウーロン茶、コーラ、チョコレート、エナジードリンクなど。ただしお茶類でも麦茶はカフェインを含みません。)を摂ることは、就寝予定時刻の4時間以上前までで止めておきましょう。
 同様に、喫煙により取り込まれるニコチンにも刺激作用があるため、夜間の喫煙は特に避けたいところです。
 LEDの光に多く含まれるブルーライトは、人の体内時計が夜の訪れを知らせるために分泌するメラトニンというホルモンを出にくくさせる作用があるといわれており、入眠困難を引き起こす可能性があります。したがって就寝前数時間はあまりスマートフォンやPCの画面を見つめない方が良いとの報告もあります。
 考え事や心配事があるまま寝床に付くとなかなか眠れないだろうということは容易に想像できると思います。実際、塞ぎ込んで抑うつ状態にある人は前出のメラトニンというホルモンの材料になるセロトニンの量が不足していることが分かっており、そのため入眠困難や中途覚醒が生じやすいと考えられています。少し難しいことではありますが、悩み事は翌日以降に考え直すようにして寝る前に一旦気持ちを切り替えるといいでしょう。
 アルコールは一時的には眠気を誘うものの眠り自体を浅くする傾向があり、夜中に目が覚め易くなります。またアルコールやカフェインには尿量を増やす作用もあるため、水分を多く摂取したときと同様に夜中にトイレが近くなり中途覚醒を生じやすくなります。従って、眠るためにアルコールを摂ることは逆効果になることがあるので避けた方が良いでしょう。
 午後の遅い時間の昼寝は夜の睡眠の先取りととらえられます。長すぎる昼寝をすると体の睡眠に対する需要が減り、入眠困難を生じます。もし疲れていて昼寝をするならば、午後3時を過ぎない時間帯で、浅い睡眠の内に起きられる30分以内の短時間睡眠にする方が良いでしょう。

 これらのことに注意して生活をしていてもまだよく眠れない場合には、一度病院で相談してみるとお薬などで解決できるかも知れません。ただし、かゆみや痛みなどの症状が強くて眠れない場合や、睡眠時無呼吸症候群やむずむず脚症候群などをはじめとした病気が原因となって眠れない場合には、まずは元々ある自覚症状や病気に対応することが必要です。

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