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子どもを受動喫煙(じゅどうきつえん)からまもる条例を知っていますか?

2017年11月

 たばこの煙の中にはたくさんの体に悪い物質が含まれています。咳がでたり、気管支喘息になったり、吸い続けると呼吸をするのが大変になる慢性の肺の病気になったりします。
それだけでなく、がんの大きな原因の一つであり心ぞうや脳の血管が詰まる原因にもなります。
 また、まだ十分成長していない若いうちにたばこの煙を吸うと、学力や体力が低下したり将来の病気の原因にもなります。お母さんがたばこを吸っていた赤ちゃんはお腹の中で大きくなれないこともわかっています。

 たばこは吸っている本人だけに影響があるわけではありません。煙はまわりにひろがっていき、その煙を吸うことでも体への悪い影響がたくさんあります。その他人のたばこの悪い成分を吸い込んでしまうことを受動喫煙といいます。
 目の前でたばこを吸っている人がいなくても、煙はせまい隙間を通ってまわりまで広がり、たばこを吸った後もずっと煙のなかの悪い物質は空間に残ります。たばこを吸っている人の洋服などには匂いが残っていますが、匂いだけでなくたばこの中の悪い物質も洋服に付いたままなのです。

 実は、この受動喫煙の体への悪い影響はとても深刻で、WHOの発表では日本でも1万5千人の人が受動喫煙で亡くなっており、この数は交通事故で亡くなる人の4倍にもなります。
 世界では子どもの時から徹底した喫煙防止教育をしており、たばこのコマーシャルや自動販売機のない国もたくさんあります。日本はたばこを吸ってもよい場所の規制が世界で最低レベルです。このことは、赤ちゃんやお母さん、体の弱い人がたばこの悪い煙にさらされる危険は世界的にみて多いということになります。

 たばこの煙から健康をまもるための一歩として、東京都では子どもを受動喫煙から守る条例ができました。この条例では都民はいかなる場所においても、子どもに受動喫煙をさせることがないよう努める事とされています。
 具体的には、子どもがいる部屋のなかでのたばこの禁止、子どもが乗っている車のなかでのたばこの禁止、たばこを吸ってもよい飲食店や遊技場に子どもを連れて行かない、公園や広場など子どもがいるところでたばこを吸ってはいけない、小児科の病院の周囲ではたばこを吸ってはいけないと決められました。
 この条例には罰則はありません。罰がないなら守らなくてもよいということではありません。この条例ができた事を、たばこは本当に体に悪いことを広めましょう。このまま受動喫煙によって多くの人が亡くなることはいやだと思い、あなたの家族が受動喫煙で健康に影響がでるのはいやだと思うあなた、ぜひたばこは嫌だと話し合いましょう。

注:東京都子どもを受動喫煙から守る条例の施行はH30年4月1日からです。

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