医療トピックス

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梅毒って、昔の病気でしょ。今でもあるの???

2016年8月

 梅毒患者が増加しています・・・全国的に増加がみられており、東京都と大阪府、そしてその周辺の地域からの報告が多いです。特に若い女性(20歳代から40歳代)の患者が増えています。東京都ではこの5年で届出数が約6倍に増えており、女性はなんと約15倍に増えています(東京都健康安全研究センター)。

○梅毒とは
 梅毒は、梅毒トレポネーマという細菌による慢性の全身感染症です。性的な接触(他人の粘膜や皮膚と直接接触すること)などによってうつる病気です。先天性梅毒と後天性梅毒に分けられ、更に後天性梅毒は4期に分類されます。

○先天性梅毒とは
 妊婦が梅毒に感染すると、胎盤を通して胎児に感染し、死産、早産、新生児死亡と奇形が起こることがあります。先天梅毒の報告は現在ではまれですが、若い女性の梅毒患者の増加により、発生数の増加が心配されています。
 前期の妊婦検診で梅毒検査が行われていますが、検査陰性の妊婦が出産までに感染したことで先天梅毒となった報告もあります。

○後天性梅毒とは
 感染後3週間ほどの潜伏期を経て様々な症状がでてきます。この経過中にも症状が軽快する時期(潜伏期)があり、受診や治療の開始が遅れることにつながります。

・第1期(感染後3ヶ月まで);梅毒トレポネーマが感染した場所(陰部やその周辺、口腔内)に大豆くらいの大きさの無痛性の硬いしこりができ、その表面がじくじくし潰瘍になります。また太ももの付け根のリンパ節が腫れることがあります。これらは放置していても1ヶ月もしないうちに消えてしまいますが、病気が完治したわけではなく潜伏期であり梅毒トレポネーマは血流にのって全身に広がります。

・第2期(感染後3ヶ月から3年まで);全身のリンパ節が腫れたり、微熱、だるさがでたり、赤い目立つ発疹が手足の裏から全身に広がり、顔面にも現れます(バラ疹)。これらも治療しなくても消えてしまいますが、潜伏期であり内臓や脳へと梅毒の感染が進んでいきます。

・このまま放置すると第3期、第4期へと進行し、多くの臓器に腫瘍が発生したり、脳、脊髄を侵し死亡に至ることもあります。

○予防について
・お互い感染しない、させないためにパートナー同士の感染有無の確認が必要です。
・不特定多数との性行為、疑似性行為を避けることが基本となります。
・コンドームの使用は完全ではないものの予防効果があります。オーラルセックスやアナルセックスでも感染することがあります。
・妊娠中の方は、妊婦検診をしっかり受診し、その後の感染予防に努めましょう。
・終生免疫(一度感染すると二度とその病気にかからない)を得られず、再感染するので、予防は大切です。

 心配な症状があったら、早急に医療機関を受診して検査を受けましょう。感染していたとわかった場合には、周囲で感染の可能性がある方(パートナー等)と一緒に検査・治療を行うことが大切です。

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