医療トピックス

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リンパとむくみ

2013年10月

 リンパ液、リンパ管、リンパ節、リンパ球、リンパマッサージなどリンパという言葉を聞いたことが皆さんあるかと思います。さて、リンパとは何でしょうか?
 私たちの身体にある一番細い血管を毛細血管(もうさいけっかん)と呼びますが、その細い血管の壁には小さな穴が開いていて一日に約20Lの水分が漏れています。この漏れ出る水分はリンパ液と呼ばれ、血液の中の血漿(けっしょう)と呼ばれるものとほぼ同じです。採血した試験管をしばらく立てていると血液は写真のように黄色の部分と赤い部分に分かれます。

 この黄色の部分が血漿です。したがってリンパ液も黄色です。この漏れ出たリンパ液の80~90%は再び毛細血管に吸収されますが、リンパ液の10~20%は皮下組織(ひかそしき)にたまった老廃物や粒子の大きいタンパク質などと一緒にリンパ管という小さな管に入ります。リンパ管に入った液は筋肉の収縮などにより運ばれて、リンパ節に入ります。リンパ節にはリンパ液以外にリンパ球と呼ばれる免疫(めんえき)に関係する白血球の一種が集まっており、ウイルスや細菌などの外敵を防ぐ働きをしています。いくつかのリンパ節を経由してリンパ液は胸管(きょうかん)と右リンパ本幹という2本の管に集まり最後は静脈に戻ります。このリンパ液の流れをリンパ循環と呼び、体にたまった余分な水分や老廃物などを運んでいますが、この流れが障害されるとむくみが生じます。
 がんなどの病気でリンパ節を取ったためにリンパ液が流れない時や、ウイルス感染でリンパ節が腫れリンパ液の流れが滞たり、リンパ管が直接障害されるとむくみが生じます。
 また、毛細血管から漏れるリンパ液の量が増えすぎた時や、毛細血管へ吸収される量が減った時もリンパ循環に影響を与えむくみが生じます。
 むくみの原因としてはがんや感染症以外に心臓病、腎臓病、肝臓病、甲状腺などのホルモン異常、血栓症や静脈瘤などの血管の病気、やけどやアレルギーなどの皮膚の病気などいろいろあります。但し、一番多い原因は塩分のとりすぎ、偏食や暴飲暴食、睡眠不足、過労などの生活習慣の乱れです。
 生活習慣を見直してもまだむくみが続くようでしたらかかりつけ医にご相談ください。

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