医療トピックス

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狭心症と心筋梗塞の話

2009年6月

心臓

狭心症や心筋梗塞といった疾患は多くの方がかかる身近な疾患です。今回はこれについて少しお話しましょう。

 心臓は心筋という約1センチほどの厚みの筋肉で出来ている袋です。この筋肉が収縮や拡張を繰り返し、袋を広げたり縮めたりしてポンプのように血液を押し出し、全身に酸素や栄養を送るという働きをしています。
 この心臓の筋肉が収縮するためにはやはり酸素や栄養が必要なのですが、それを供給する心臓の周りにある3本の細い動脈を冠動脈といいます。とても大切なこの動脈ですが実はとても動脈硬化が起こりやすい血管でもあるのです。
 この冠動脈に動脈硬化が起こり、血管の内側にプラークという盛り上がりが出来て血流が妨げられると、その血管に酸素の供給を受けている部分の心筋は酸欠状態に陥ります。これが一過性に起これば胸痛を伴い狭心症、そのプラークが破裂して血管の中に血栓を作り、血流が完全にストップしてしまったら、心筋に壊死が生じて激しい胸痛を伴う心筋梗塞となります。

 狭心症や心筋梗塞になったらその程度にもよりますが生命に危険を及ぼす可能性も高くなり、緊急の治療が必要となります。
 この治療は心臓カテーテル治療といって、足の付け根や腕などの動脈から細いカテーテルを挿入してこの冠動脈を造影し、詰まった血管を再開通させ細くなった血管を風船やステントと言われる筒状の金網で広げる処置が行われます。
 この心臓カテーテル治療が行われるようになって、狭心症や心筋梗塞に対する治療成績は劇的に向上しました。これまで命をかけるような大手術であった心臓に対する血行再建術が、たった数分でできてしまうのです。

 しかし、いかに簡単に治療できるようになったとはいえ病気はやはり予防が大切です。
 狭心症や心筋梗塞の原因は動脈硬化。動脈硬化は加齢によっても起こりますが、その危険因子である喫煙、肥満、高血圧、高脂血症、糖尿病などがあると特に動脈硬化の進行が早くなるといわれています。つまりこれらを改善し、しっかりコントロールしておく事が狭心症や心筋梗塞にならないあるいはなっても進行させない唯一の方法なのです。
 しかし厄介なことにこの危険因子、どれをとってもあまり症状がない事が多く、気がついたときには病状がかなり進行してしまっていることも少なくありません。また、定期健康診断などで指摘されても放置されやすく、治療が開始されても継続できずに途中で中止されてしまう事が多いのです。

 狭心症や心筋梗塞になってから慌てるのではなく、今症状がなくても、定期的に自分の健康状態を把握し異常があれば改善する、この事が5年先、10年先の自分が今と同じように元気に生活できているか、ということにつながるのです。
 今ならまだ間に合うでしょう。心当たりのある方は是非ご相談下さい。将来の健康のお手伝いをいたします。

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