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医療トピックス
区民の皆様にその時期にマッチした情報をお知らせします。
いくつになっても筋トレを!!
2025年3月
年を重ねてもいつまでも元気でいたい、自分の足で歩いていたいと皆さん思うのではないでしょうか?
そういった高齢化社会一般の意識によって最近は加齢による骨筋量の低下によって定義されるサルコペニアなどの言葉もよく聞くようになっています。そのような中、筋肉トレーニングいわゆる筋トレの重要性も言われますが筋トレはいったい何歳までやれるものなのでしょうか?
まさか90歳を過ぎても若者に混じって筋トレはないだろう?この年でスポーツジムに通うなんていい年をして恥ずかしい!なんて思っていませんか?
認識を改めましょう。
いったい何歳までという質問に関しての答えは何歳まででもですとなります。逆に言うと筋トレは年齢を重ねても出来る数少ない健康寿命を延ばせる手段です。
我々の筋肉量は40歳をピークとしてその後は何もしなければ年に1%ずつ低下していくと言われています。10年後には10%、20年後には20%といった次第です。そのまま行けば当然サルコペニアとなりますが筋トレによる効果は何歳になっても継続します。老化は止められませんが筋肉量だけは例外なのです。筋肉は48日で入れ替わると言われていて代謝が激しい組織のため高齢となっても鍛えることが可能なのです。また筋トレには骨格筋量増加以外の嚥下機能の改善や認知症予防効果なども報告されています。
その副次的効果もあり厚生労働省も身体活動や運動に関するガイドラインを昨年10年ぶりに改訂して高齢者にも週2-3回は筋トレをすることを新たに推奨しています。ガイドラインではマシンなどを使用するウエイトトレーニングだけでなく、自重で行う腕立て伏せなどの高齢者にもなじみやすい運動も含まれ、やはり疾患発症予防や死亡リスクの軽減につながると記され、可能であれば有酸素性身体活動と組み合わせるとさらなる健康効果が期待できるとも報告されています。
さて、いくつになっても鍛えられるなら年を取ったらやろうかなと思っている若い方はいらっしゃるでしょうか?もちろん年を取ってからでも前述の通り筋トレは有効ですが、可能なら若い内から始めるに越したことはありません。一度鍛えられたメモリーは筋細胞内の核内に残ることが解っています。トレーニングをその後していなくても若い内に鍛えられていると年を取ってからのトレーニング効果が早く得られるのです。貯蓄と同じ感覚で将来に向けて筋肉貯蓄をしましょう。
話しは少しはずれますが、ステロイドによるドーピングを行った選手の筋肉にもメモリーが残るためステロイドを離脱しても通常選手より鍛えられやすいと言われています。そのため公平性の上に成り立つスポーツではやはりドーピングは許されるものではないのです。
若年者にも高齢者にも有効な筋トレ、皆さんもぜひ週1回の軽いものからでいいのでお試し下さい。