医療トピックス

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汗と上手に付き合おう

2018年4月

今年もまた暑い夏がやってきます。
高温多湿の日本の夏。まとわりつく様なベタベタの汗が一層不快に感じます。
夏に増悪する皮膚病はいくつかあります。まずは「あせも」とそこからくる湿疹。「あせも」を引っ掻いてしまって「とびひ」になることもあります。またアトピー性皮膚炎の患者さんは夏に悪化することが多いのもよく知られています。
「あせも」は大量に発汗した時に、汗管が閉塞して汗が汗管周辺に漏れ出して起こるものです。かゆみを伴うので、これを掻きこわすことで湿疹になってしまいます。かき壊した部分に黄色ブドウ球菌や溶連菌などの細菌感染を合併したものが「とびひ」になります。また、皮膚に常在する細菌や真菌がアトピー性皮膚炎悪化させる原因として挙げられています。汗が細菌の増殖の一因になっていることは明らかです。ところが、アトピー性皮膚炎の患者さんの中には、上手に汗が出ない方も多いのです。暑くなっても上手に汗がかけず、体内に熱がこもる状態( うつ熱)がかゆみに拍車をかけてアトピー性皮膚炎が増悪するということも明らかになっています。

汗は本当に皮膚にとって悪いものなのでしょうか?
まずは汗の役割と性質を知ってください。
汗は私たち人間の恒常性維持機能(こうじょうせいいじきのうー環境が変わっても身体の状態を快適な状態に保とうとする機能)に対して大きな役割を果たしています。つまり①一定の体温を維持するための体温調節作用②汗に含まれる天然保湿因子による皮膚保湿作用③汗の成分に含まれるIgA、抗菌ペプチドによる感染防御作用④アレルゲンによる皮膚の炎症誘発の予防及び成熟した角質を形成する事に貢献する、という役割をになっています。保湿効果、抗菌作用などの作用があるということ少なからずに驚かされますが、身体の状態を維持のため汗も頑張っています。高温下の作業では、全身に分布した300万から400万個のエクリン汗器官から1時間あたり2-3リットルもの汗が出て体温の調節をするそうです。
汗というと汚い、臭い、痒そうとネガティヴなイメージを持っている方も多いと思いますが、意外にも...ですよね。
私たちの体からは不感蒸泄(ふかんじょうせつー自覚することなく皮膚から失われていく水分)として出ている汗と、運動、高温下で出てくる体温調節のための汗が出ています。不感蒸泄として出ている汗は不快なものではないのですが、体温が上昇して出る大量の汗はそのまま放置すると不快な臭いがしたり、かゆくなったりします。大量の汗を放置することで長時間皮膚が湿潤した状態になり、細菌.真菌などが増殖し、汗の成分も皮膚に有害なものに変化してきます。汗をかいたまま長時間放置する事はお勧めできません。

では、汗とどの様に付き合っていけばいいのでしょう?
まず汗かきの方。汗をかいてもハンカチ、タオルでゴシゴシ拭かない様にしましょう。汗でふやけた皮膚を乾いたタオルでこすることには2つのデメリットがあります。1つは皮膚を傷つけること。傷ついた皮膚に汗がしみると痒くなり、掻くことで湿疹になってしまいます。また、汗は蒸発する時に体表の温度を下げています。皮膚の水分をこすりとることで、体表の温度が上がり、かえって汗の量が増え、汗を拭く回数も多くなり、皮膚へのダメージが大きくなります。出来れば濡れたハンカチなどで汗をおさえる様にするか、扇子、うちわを使って汗を蒸発させるようにします。クーラーのない時代、人々は行水をして、濡れた体に浴衣を羽織って風にあたり涼をとりました。ためしに今年の夏、汗をかいたら、体温程度のお湯(水?)を浴びて、濡れた身体に風をあててみて下さい。意外と快適ですよ。昔の人の知恵に驚くことと思います。

アトピー性皮膚炎で上手く汗が出ない方は、上手に汗をかくことで痒みが楽になります。適度な運動、半身浴などで発汗を促すようにしてみてはいかがでしょう。短時間から始めて徐々に時間を延長していくと 体への負担が少なくなります。皮膚の痒み、感染症のコントロールも大切ですので、湿疹の治療は怠りなく続けて下さい。汗をかいたら、汗を流す、濡れたタオルで軽く拭くなどのケアも怠りなく。
汗を味方にして、今年の夏は快適に過ごしましょう。

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