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低用量ピルとタバコのお話

2018年1月

 一生涯に何回月経が来るか考えたことはありますか? 昔は今よりも初潮が遅く、何度も出産するのが当たり前だったので、月経回数は50回ぐらいでした。一方少子化が進んだ現代の女性は約450回月経があると言われています。このように常に卵巣が働いている状態は様々なトラブルを引き起こします。月経困難症や過多月経・排卵痛・月経前症候群といった周期的な問題だけでなく、女性特有の病気も増えてきています。特に子宮内膜症は月経を重くするだけでなく不妊症の原因にもなるので若い女性にとっては深刻な病気です。

 そこで登場するのが低用量ピルです。周期的な症状を軽くするだけでなく、子宮内膜症の治療薬としても使われています。そのため保険適応のピルも複数あり、今では月経の回数そのものを年4-5回まで減らしてしまうタイプのものもあります。自分の意志で月経をコントロールできしかも避妊もできることは女性にとって大きなメリットでしょう。

 とても便利な薬ですが、気を付けなければいけない副作用もあります。それは血栓症です。血管の中に血の塊ができる病気です。血の塊が血管からはがれて別の血管を詰まらせると塞栓症となり時には命にかかわります。数年前この副作用による若い女性の死亡例がマスコミに取り上げられ大きな社会問題になりました。内服に不安を感じた患者さんが病院に殺到しその対応に随分時間を要しました。では低用量ピルはそんなに危険な薬なのでしょうか。実はこの血栓症、低用量ピルを内服中より、妊娠中や産褥期(出産後6-8週間)、喫煙者の方が発症率が高いのです。

 低用量ピルを開始する際には血栓症のリスクをあげる喫煙・肥満・生活習慣病などがないか、血栓症を起こしやすい遺伝的な素因がないかなどを検討します。特に喫煙は血栓症のリスクを非常に高めるので注意が必要です。リスクをしっかり評価し内服中も定期的に管理することで低用量ピルは十分安全に使うことができます。

 喫煙率は男女ともに減っているもののいまだに若い女性の1割前後がタバコを吸っています。タバコの害はがんだけではありません。意外と知られていないのが、生殖器への影響です。喫煙女性では卵子の発育や卵巣からのホルモンの分泌がわるくなり不妊症のリスクが高まります。妊娠しても流産や早産、子宮外妊娠になりやすく、またおなかの赤ちゃんの発育も悪くなります。さらに出産後も喫煙を続けた場合、子供の健康にまで悪影響を及ぼします。若い女性の禁煙を促すことは非常に重要です。女性にとってメリットの多い低用量ピル。始めるのであれば安全に使用するためにぜひ禁煙しましょう。

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