医療トピックス

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ヒートショックを防ごう

2016年2月

 記録的な寒波がやってきて寒い日が続いていますね。こんな夜はゆっくりお風呂に入って温まって…、なんて思ってしまいますがこの時期のお風呂には危険がいっぱい。今回はヒートショックについてのお話しを。

浴室には危険がいっぱい
 厚生労働省の研究班の報告では入浴中の事故死の数は1年間で約1万9000人。これは交通事故死者数のなんと4倍に近い数となっています。これだけでも驚きですが、このうち家庭の浴槽での溺死者数は平成26年度4866人で、この10年で1.7倍に増えているとのこと。さらにこの9割が65歳以上の高齢者で、1年のうち12月,1月,2月の3か月で約半数が発生しているそうです。この時期の浴室にはどんな危険があるのでしょうか。

冬のお風呂での血圧変動
 日本の住宅では日当たりの悪い北側に浴室やトイレなどの水廻りがあることが多く、冬のお風呂場の脱衣所は10度以下になることもあるようです。暖かい居間から脱衣所に来て服を脱ぐと一気に体表面の温度が下がり血圧が急上昇します。そのまま熱いお風呂に入るとさらに血圧は上がり、体が温まってくると血圧は次第に下降します。肩までしばらくつかって急に立ち上がると拡張した末梢血管の収縮が遅れ血圧は急激に低下し、そして寒い脱衣所でまた血圧は上昇します。この変化が元々持病のある高齢者に大きな影響を及ぼします。これがヒートショックです。

ヒートショックが怖いわけ
 ヒートショックとは急激な温度の変化によって血圧が変動して引き起こされる健康被害のことです。体を露出する浴室やトイレではよりその反応が強く出現すると考えられ、温度差の大きい冬に多発するのです。血圧の急上昇により脳卒中や心筋梗塞などの病気を引き起こしたり、逆に急激な血圧の低下により意識消失を生じたりします。もし入浴中に脳卒中や心筋梗塞、意識消失などが起こればそのまま溺れてしまう、ということも考えられます。

どうやって防ぐ?
 まず室内の温度差を少なくすることです。脱衣所やトイレには暖房を入れ十分温めておくことが大切です。浴室はシャワーを使って浴槽に給湯すると温まります。湯温はぬるめの41度にして、入浴する時間はできれば日中に。気温の低い朝晩は避けたほうが良いでしょう。また食直後や飲酒後は血圧の低下が起こりやすいので入浴は控えましょう。万が一体調の変化があった場合に備えて電話などをそばに置いておいたり、家族に一言声をかけて入るなどの注意が必要です。一人暮らしの方はヘルパーさんなどに見守りを頼んだり公衆浴場などを利用するのも一つの方法です。
寒い冬もあと1か月。十分注意してヒートショックによる事故を防ぎましょう。

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