医療トピックス

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糖尿病網膜症(とうにょうびょうもうまくしょう)

2015年6月

 日本国内の740万人もの人に糖尿病の可能性があるといわれています。
 その糖尿病の眼の合併症で一番恐いのが、糖尿病網膜症です。日本人の失明原因の緑内障につぐ第2位の病気です。

 眼の一番奥の眼底には網膜という神経の膜があります。昔ながらのカメラでいえばフイルムにあたるところです。
 この網膜には多くの毛細血管がありますが、糖尿病の患者さんの血液は糖が多く固まりやすい状態(血液がドロドロ)になっているため、毛細血管をつまらせたり、血管の壁に負担をかけて出血したりします。
 そのため、血液の流れが悪くなり、網膜に酸素や栄養がいきにくくなります。それをなんとか新しい血管で不足分を補おうと、本来はない弱い血管、新生血管が出現します。
 この新生血管が曲者で、硝子体(しょうしたい)という眼球のほとんどをしめる部分に大出血をおこしたり、蛋白やフィブリンが多量に漏れ出て、新生血管のまわりに線維組織を作ったりします。
 この線維組織は網膜と硝子体を固く結び付けてしまうため、硝子体が収縮したときに網膜をひっぱって、網膜がはがれる牽引性網膜剥離(けんいんせいもうまくはくり)をおこします。
 ここまできてしまうと治療は大変難しく、失明に至ることがあります。

 では糖尿病網膜症が起きないようにするにはどうすればよいでしょうか。
 それはしっかりと糖尿病の血糖コントロールをすることです。糖尿病がわかったら、絶対に放置したりしないで内科の先生の治療を受けましょう。
 初期の出血なら血糖コントロールを良くすることで消えることもあります。
 注意しなければいけないのは、糖尿病網膜症になっていても進行するまで自覚症状がないため、患者さん自身が初期の段階で眼の異常に気付くのが難しいことです。見にくいと気づいて受診した時には、すでに網膜症が進行してしまっていることがあります。
 糖尿病の方は、必ず眼科で検査を受けてください。血糖コントロールが悪くなくても罹病期間が長くなると網膜症がでてくることもあります。
 最初に網膜症がなかったからと安心せずに、定期的な検査を忘れないでください。そうすることで、もしも糖尿病網膜症が発症しても、適切な時期に適切な治療を受けることができます。

 糖尿病から眼を守り、見ることができる快適な生活を続けましょう。

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