医療トピックス

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緑内障

2014年1月

 最近テレビの健康講座でも時々取り上げられる眼の病気に緑内障があります。皆様も聞いたことがあると思いますが、いったいどの様な病気でしょうか。
 緑内障は日本人の失明原因疾患の第一位であり、治療せずに放っておくと失明につながる恐れがあります。また40歳以上に多い病気で40歳以上の有病率は5%、20人に1人が緑内障なのです。

 緑内障は、“視神経と視野に特徴的変化を有し、通常、眼圧を十分に下降させることにより視神経障害を改善もしくは抑制しうる眼の機能的構造的異常を特徴とする疾患”と定義されています。
 これはつまり何らかの原因で視神経が障害され視野が欠けていく病気ということです。進行すると視力も落ちていきます。大きな原因が眼圧の上昇です。目の中には血液のかわりとなって栄養などを運ぶ、房水という液体が流れています。目の形状はこの房水の圧力によって保たれていて、これを眼圧とよびます。眼圧は時間、季節によっても多少変動しますが、ほぼ一定の値を保っています。この眼圧が高くなると視神経が圧迫されて傷つき、視野がかけてしまいます。視神経の強さは個人差があり、また眼圧にも個人差があります。眼圧の正常値は10~21mmHgとされていますが、人によってはこの正常な眼圧でも緑内障になってしまいます。このような緑内障を正常眼圧緑内障といい、日本人の緑内障はこのタイプが7割を占めています。
 多くの場合、視野は長い時間をかけてゆっくりと欠けていくため、また片方の目の視野が一部欠けても、もう片方の目で補うために、はじめのうちはなかなか気付くことができません。そして一度欠けてしまった視野は元にもどすことができません。

 緑内障にはいくつかの種類があります。眼圧が高くなる原因によって原発緑内障、先天緑内障、続発緑内障に分類され、原発緑内障はさらに開放隅角緑内障と閉塞隅角緑内障に分けられます。
 開放隅角緑内障とは、房水の出口である隅角の線維柱帯が徐々に目詰まりして眼圧が上がり、ゆっくりと病気が進行していく慢性の病気です。先にあげた正常眼圧緑内障はこちらの開放隅角のタイプに分類されます。
 閉塞隅角緑内障は、隅角が狭くなり塞がって房水の流れが妨げられ眼圧が上がり、慢性型と急性型があります。急性型では急激に眼圧が上昇し、目の痛みや頭痛、吐き気などの激しい症状をおこし内科に駆け込む方もみられます。時間が経つほど治りにくくなるので、このような急性閉塞隅角緑内障の発作がおきた場合はすぐに治療を行い、眼圧を下げる必要があります。
 先天緑内障は生まれつき隅角が未発達のためにおこる緑内障です。
 続発緑内障は、外傷、角膜の病気、網膜剥離、目の炎症など、他の目の疾患による眼圧の上昇や、ステロイドホルモン剤などの薬剤による眼圧上昇によっておこる緑内障です。
 正常眼圧緑内障を含めた慢性に経過するタイプの緑内障では、自覚症状がほとんどなく、知らないうちに病気が進行していることが多くあります。視神経の障害はゆっくりとおこり、視野も少しずつ狭くなっていくため、目に異常を感じることはありません。しかし失ってしまった視野は元にもどせないので、早期発見、早期治療が重要になります。一度障害された視神経を元に戻す方法はまだ今のところなく、病気の進行をくいとめることが目標となります。したがって出来るだけ早期に緑内障を発見し、治療を開始することが大切です。

 眼科はなかなかご縁のない方が多いと思いますが、40歳を過ぎたら緑内障の可能性が高くなることを頭においてください。また中野区では先進的に45歳と55歳に眼科検診が行われています。該当される方は是非せっかくのこの機会に受診してみてください。
 長寿となった日本人、緑内障による失明を防ぎ目の健康も保って長生きしていきましょう。

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