医療トピックス

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前立腺肥大症

2012年1月

 男性は歳を取るにしたがって、尿の勢いが弱くなり排尿に時間がかかったり、夜間にトイレに起きる回数が増えたりといった症状が出がちです。このような症状が出る原因の一つに前立腺肥大症があります。
 前立腺とは、精液の成分の一つを作る臓器で、膀胱(ぼうこう)の出口で尿道を取り巻いて付いています。これが肥大してしまう病気が前立腺肥大症です。肥大した前立腺は尿道を圧迫し、尿を出にくくしてしまいます。また膀胱へも刺激を与え、夜間の尿の回数が増える原因となります。さらに進むと、膀胱に出きれなかった尿が残るようになり(残尿)、ついには尿を出せない状態「尿閉(にょうへい)」を来します。尿閉まで行かない状態でも残尿が増えると、実際に機能する膀胱の容量が減り、頻尿(ひんにょう)となったり、膀胱に一杯になった尿が制御できずにあふれ出てしまう溢流性尿失禁(いつりゅうせいにょうしっきん)という状態まで引き起こしてしまう事があります。
 治療は先ず症状を抑える治療が主になります。最初は前立腺が取り巻いている部分の尿道の抵抗を下げて尿を出しやすくする薬が使われることが多いです。これは夜間の頻尿にも効果があると言われていますが、症状により生薬や漢方薬もよく使われます。
 肥大した前立腺を小さくさせるには、男性ホルモンを押さえる薬が使われますが、副作用の問題などで使用には少し注意が必要です。
 薬では効果が不十分の時には、手術が行われます。手術は内視鏡による方法が主になります。内視鏡の先に電気メスが付いた器具を使い、前立腺を削り取る手術がもっとも一般的ですが、施設や症例によってはレーザーを使って手術をすることもあります。
 前立腺肥大症は50代頃から始まり徐々に進行していきますが、80代では約8割の男性が罹患(りかん)するという報告もあります。
 また、同じような症状で前立腺の癌(がん)である場合もあり、この可能性を常に念頭に置いて治療することが大切です。50才以上で気になる症状がある場合には専門医に相談して下さい。
 余談ですが、公衆トイレで並ぶようなときは若い人の後ろに並ぶ方が早くすみそうですよね。

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